フルート2本で小さな演奏会を|15〜20分のプログラムの作り方
大きなホールも、長いプログラムも必要ありません。
学校の音楽室、地域の小さな催し、友人を招いた演奏会。フルートが2本あれば、15〜20分ほどの音楽の時間を作ることができます。
でも、好きな曲を4曲並べただけでは、どこか物足りないことも。
その違いを生むのが「曲順」です。小さな演奏会でも、始まりと終わり、その間の流れを考えると、一つの物語が生まれます。
【例えば「4つの風景」を聴くプログラム】
1曲目 グリーグ《朝》
最初は、静かな音が少しずつ広がる作品から。会場の空気をゆっくり音楽へ向けていきます。
《朝》を聴いてノルウェーの風景を思い浮かべる方も多いでしょう。ところが、この曲が生まれたイプセンの劇《ペール・ギュント》では、舞台はノルウェーではなくモロッコ。よく知っている旋律にも、意外な物語が隠れています。
2曲目 サン=サーンス《白鳥》
続いて、音楽をもっと近くで聴くような静かな一曲を。
《動物の謝肉祭》の《白鳥》は、原曲ではチェロ独奏と2台のピアノによって奏でられます。長く続くチェロの歌を、2本のフルートでどのようにつなぐか。旋律の受け渡しそのものが、二重奏の聴きどころになります。
3曲目 ドビュッシー《アラベスク第1番》
ここで音楽の表情を変えてみましょう。
「アラベスク」は、植物の蔓や葉のような線が繰り返し絡み合う装飾模様を指す言葉でもあります。旋律が流れ、交差し、別の声部へ移っていく様子を、耳でたどってみるのも面白い聴き方です。
このフルート二重奏版は上級者向け。演奏する二人の技量に応じて、別の作品に差し替えてもよいでしょう。
4曲目 ヘンデル《水上の音楽》より〈ホーンパイプ〉
最後は、軽快で華やかなリズムで締めくくります。
《水上の音楽》は、1717年にロンドンのテムズ川で、王の船遊びに伴う船上演奏が行われたことでも知られる作品です。静かな風景から始まった演奏会を、祝祭の気分で終えることができます。
【曲の間のお話は、短くて十分】
長い解説を用意しなくても、次の曲を聴くのが楽しみになる一言があれば、演奏会はぐっと身近になります。
「実はこの《朝》、劇ではモロッコの場面なんです」
たったそれだけでも、お客さまの想像する景色が少し変わるかもしれません。
【最後に、必ず通して時間を測る】
ここで紹介したのは、15〜20分の小さな演奏会を目指す一例です。実際の所要時間は、テンポや編曲、曲間のお話によって変わります。
本番前に一度、入場から最後のあいさつまで通してみましょう。譜めくりのしやすさ、息を整える間、曲と曲の表情の違いも確認できます。
演奏会のプログラム作りは、曲を選ぶ楽しさだけではありません。
「なぜ、この曲を最初に聴いてほしいのか」「最後に、どんな気持ちで帰ってほしいのか」。そんなことを考える時間も、音楽を演奏する喜びの一部です。
次の小さな演奏会を、二人で相談しながら作ってみませんか。

