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フルート二重奏の響きが変わる3つの聴き方|音程・音色・バランスを整える

二人とも正しい音を吹いているはずなのに、なぜか響きがまとまらない。

フルート二重奏をしていると、そんな瞬間があります。

音程も、リズムも、それぞれが気をつけている。それでも何かが足りないと感じるのは、二人の音を「一つの響き」として聴くことに、まだ慣れていないからかもしれません。

今回は、二重奏の練習ですぐに試せる3つの聴き方をご紹介します。

【1.音程は、二人の響きで確かめる】

まず、二人が同時に音を伸ばす場所を一つ選んでみましょう。

一人ずつ音を出してから、二人で重ねます。

このとき大切なのは、チューナーの針だけを見ないこと。

二人で吹いたとき、音の響きに揺れを感じるか。音が自然に広がるか。どちらかの音だけが浮き上がって聴こえないか。

そうした変化に耳を向けてみてください。

必要に応じてヴィブラートを少なくすると、音の重なりが聴き取りやすくなることもあります。

チューナーは音の高さを確認する助けになりますが、最終的に確かめたいのは、二人で作っている響きです。

【2.音色は、無理に同じにしなくていい】

二人の音色が違うことは、必ずしも欠点ではありません。

明るく輪郭のはっきりした音と、柔らかく温かい音。その違いが、二重奏の表情を豊かにすることもあります。

ただし、一つの旋律を受け渡すときには、音の入り方や切り方がそろっていると、音楽が自然につながります。

例えば、同じフレーズを一人ずつ吹き、お互いの息の流れや音の終わり方を聴いてみましょう。

「同じ音色にする」ことよりも、「同じ音楽の方向を向く」ことを目指してみてください。

【3.音量ではなく、音楽の主役を聴く】

第1フルートが旋律、第2フルートが伴奏。

いつもそうとは限りません。

第2フルートの動きによって和声が変わる場所や、下の声部に聴かせたい旋律が現れる場所もあります。

そこで、短い部分を演奏しながら、次のことを考えてみましょう。

今、聴いてほしい音はどちらにあるだろう。

その音を生かすために、もう一方はどんな吹き方をするとよいだろう。

主役を意識すると、二人が同じ強さで吹き続ける必要はなくなります。

音量を変えるだけでなく、音の立ち上がりやフレーズの方向を工夫することも、バランスを整える方法です。

【5分だけ、こんな練習を】

1分目:二人が伸ばす音を選び、響きを聴く。

2〜3分目:同じフレーズを一人ずつ吹き、音の入り方と終わり方を確かめる。

4分目:どちらのパートを聴かせたいか相談する。

5分目:短い部分を録音し、演奏中には気づかなかったことを聴き直す。

長時間の練習でなくても、聴き方が変わると演奏の印象は変わります。

【名曲で響きを楽しむ】

バッハの《G線上のアリア》は、ゆったりとした音の流れの中で、二つの声部が作る響きを味わいたい作品です。

モーツァルトの《アンダンテ K.315》では、歌うような旋律を二人でどのように支え、つないでいくかを考える楽しみがあります。

いずれも、音を正確に並べることから一歩進んで、二人で一つの音楽を作る練習に向いています。

二重奏の面白さは、自分の音だけを聴いていては出会えない響きが生まれること。

次に誰かとフルートを合わせるときは、ぜひ「相手の音を聴く時間」を少し増やしてみてください。